ギンポ
岩場の穴などに棲む、ニョロッとした20センチほどの魚。知る人ぞ知る江戸前の高級天ぷらネタ。くせのない白身で、天ぷらや唐揚げにすると、プリッとした食感が楽しめる。
ニョロニョロして、少々さばきにくいが、ウナギやアナゴのように、エラ付近を目打ちで刺してまな板に固定するとやりやすい。背開きにして骨、ワタ、頭をとり、ぶつ切りにしたら、衣を付けて揚げる。これまで釣れてもリリースしていた人、ぜひご賞味を!
(こちらもご覧ください。 房総爆釣通信「ギンポ【銀宝】生態編」「ギンポ【銀宝】釣りの仕掛け編」「ギンポ【銀宝】料理編」)
見かけは悪いが、味は上々。こんなところに?というような岩のすき間の穴が狙い目!
ゴンズイ
外道として不人気ナンバーワン?のゴンズイ。背びれと胸びれに毒バリがあり、これに刺されると痛い思いをすることになるので、要注意。しかしその味は極上! 味噌汁にするのが定番だ。ヒレをハサミでちょん切ってしまい、ワタを抜いたら水から煮る。そして味噌をとき入れればできあがりだ。カボチャや青菜を一緒に煮るのもおいしい。
(こちらもご覧ください。 房総爆釣通信「ゴンズイ【権瑞】生態編」「ゴンズイ【権瑞】釣りの仕掛け編」「ゴンズイ【権瑞】料理編」
魚のあら
魚を釣って、刺身やその他の料理をつくるときに出る大量の「あら」。そのまま捨ててはもったいない! 潮汁にして、食卓にのぼらせよう。魚は意外とどんな種類のものでもOK。マダイなど白身系の魚なら上品なお吸い物風の潮汁になるし、イナダ、サバなど青物系なら、ちょっと漁師風の豪快な潮汁になる。また、ソウダガツオのあらは、みそ汁が合うのだ。
エラや血合いなどは、あらかじめなるべく洗いおとす。熱湯を回しかけるか、さっと煮て湯はこぼすかすると、生臭さがなくなる。さらに血合いなどをしごきとると、なおよし。水をかえて、しょうがの薄切りを3、4枚入れて、中火にかける。煮立てず、アクをすくいながら10分くらい煮て、塩、しょうゆ(ほんの少し!)で味を調える。
万能ネギなどを散らせば、ビジュアル的にもなおよし。
ほかにあら料理の定番といえば、やっぱりあら煮。酒、みりん、しょうゆ、しょうがで煮た味は、おいしくってごはんが進む!
また、小さい魚だったら、中骨は塩ふって揚げたものも、酒の肴に子供のオヤツにgood。
釣った魚は、十分に食べてあげよう!
イナダのあら。頭のまわり、中骨、腹骨周辺、いずれも身の味は、3枚におろした身よりも上!?イワガニ
イワガニ
磯の岩のすき間などを横這いしている、甲が黒っぽくて白い筋が入っていて、足の赤いカニがイワガニ。ワタリガニなどと較べれば小さなカニだが、その味はあなどれない! そのまま鍋に入れて煮るだけで、カニミソの風味も抜群のウマイだしが・・・。シンプルにみそ汁もよし、大根、ニンジン、ハクサイなどを入れた鍋物風もよし。超おすすめ!
つかまえるには、手やメゴチばさみなどでエイッ!とすばやく捕らえる!もしくは、ジグヘッドなどに煮干し、カニかまぼこ、魚肉ソーセージ、オキアミ(要は何でもいいのか!?)などを付けて、カニのいそうな岩のすき間にたらすと、ハサミで食いついてくる。意外とこの「カニ釣り」も、エキサイトできる。
甲長5センチ足らずだが、うまみはたっぷり。身だってちゃんとほじくって食べればおいしい
ワタリガニ
ワタリガニといっても種類がいろいろあって、冬に鍋物などに入っているのは、ガザミと呼ばれるもの。ほかにノコギリガザミ、タイワンガザミ、ヒラツメガニ、イシガニ、ベニツケガニなど、いろいろな種類がいる。
磯で見かけるのは、ノコギリガザミやイシガニが多い。しかし、産卵の時期には、ふだん水深10メートル以上の海底に住んでいるガザミやヒラツメガニなども、浅場にやってくる。したがって、産卵期の初夏なら、磯でつかまえることもできる。また、エサを入れたカニ網を置き竿にしてぶちこんでおき、釣ることもできる。
ワタリガニの特徴は、甲羅の左右が尖っている(尖っていない種類もいるが)こと、一番下の足が丸く平べったい(泳ぐのに適した形だそう)ことなど。
どの種類も、鍋物、みそ汁、塩ゆでなどでおいしく食べられる。唐揚げや炒め物にすることもある。ダシの出具合といい、身の味といい、毛ガニやタラバガニなどと較べても遜色ない。
これはおそらくイシガニ。磯周辺の浅い海でとれたものだ。甲幅10センチくらいあり、ハサミもかなり大きい
マンボウ
フグ目マンボウ亜目マンボウ科の魚。特徴ある形とゆったりのんびりユーモラスな泳ぎ方は、水族館でお馴染み。大きなものになると長さ3メートル、重さ2トンにもなる(このサイズの剥製が、茨城の大洗水族館には展示されているそうです)。1匹が2,3億個もの卵を産むことでも有名。しかし、そのうち数匹しか成魚にならないらしい。
房総では(そのほかに紀州、土佐などでも)マンボウを食べる習慣があり、とくに南房の千倉周辺では、料理店で出してくれることもあるようだ。
ヅルッとして白い身は、刺身でわさび醤油、もみじおろし、ポン酢や酢味噌と和えて食べる。肝あえにすることもある。肝はほかに酒蒸しなど、超はゆでたものを酢みそあえ、キムチあえなどにする。厚い皮の部分は捨ててしまうが、スライスしてポン酢などで食べる人もいるとか。
南房・千倉で遭遇したマンボウの解体現場。まるでフタをあけるように片側をざっくりと切り取り、身と内蔵を取り出す。キモだけでなく、腸も食べられる
ウツボ
関東以南の浅い海の岩陰や岩穴などに住む魚で、体長約80センチ。アナゴやウナギのようにニョロリと長く、ウロコもない。夜行性で、小魚やタコなどを好んで食べる。
ウツボから人を攻撃してくることはないが、人間が手を出したり、つかまえようとすると、立ち向かってかみついてくるらしい。歯が鋭いので、かまれるとケガをするほで要注意!
房総においては、館山・白浜などで「なまだ」と呼ばれ、干物にして食べられる。これを焼いて食べると脂が滴り落ちておいしい。干物を唐揚げにしてもいい。
ほかにも黒潮にそって高知県、徳島県、和歌山県、三重県、伊豆半島などでウツボを食べる習慣がある。
ウツボのほかにも、和歌山や三重あたりと房総では、海産物の食習慣が似ているところがあって、なかなか興味深いのだ。
冬には、一本丸ごと開かれたウツボが、海風にはためいている光景が見られる。
この一連のページの記事は、旧・房総爆釣通信に掲載していた記事を再編集したものです。
内容によってはデータが古いものもそのまま掲載していることをご了承ください。
最新の記事は、ブログ「房総爆釣日記」をご覧ください。