1月 切り干し大根
2月 干しワカメ
3月 味 噌
3月 フキ味噌&佃煮
4月 干物
4月 干物その2 みりん干し
4月 魚の粕漬け・味噌漬け
4月 タケノコの保存とメンマ
5月 テングサと寒天
5月 きゃらぶき
6月 果実のシロップ
6月 梅酒と梅干し
6月 梅ジャム
7月 健康茶と果実酒
7月 シソジュース
7月 きゅうりのピクルス
8月 小ハゼの佃煮
8月 シメサバとなまりぶし
9月 夏みかんピール、ママレード
9月 シソの実の塩漬け
9月 栗の渋皮煮
9月 イナゴの佃煮
10月 アンチョビ&オイルサーディン
11月 紅しょうが
11月 干しイモ
12月 かまぼこ&さつまあげ
12月 こんにゃく
12月 わさび漬け2種
1月 切り干し大根
家庭菜園で大根がとれすぎて困った、一度にご近所からどっさりいただいたが、毎日おでんというわけにもいかないし、タクワンにするわけでもなし・・・・・、という場合、我が家では、削って乾燥させ、切り干し大根にして保存しています。
そうすれば、いつでも食べられるし、常備しておけば「食材が何もない!」とか「あと一品ほしい」
などというとき、非常に役立ちます。
食べ方もいろいろ。
炒め煮・・・あぶらあげ、にんじん、しいたけなどとさっとごま油で炒め、だし、しょうゆ、みりん、酒を足して煮る。
サラダ・・・もどした切り干し大根を。さっとゆでて、好みのドレッシングをかけて食べる。もみのり、かつおぶしなどを散らした和風のほか、フレンチ、梅風味、ごま風味など何でもOK。
はりはり漬け・・・細く切ってつくったものより、1センチ幅程度の短冊形に切ってつくった切り干しのほうが、歯ごたえがよくて向いてます。しょうゆ、酢、みりん、砂糖、こんぶ、赤唐辛子をひと煮立ちさせてさませたものに、もどした大根を漬け込む。2、3日後から1週間くらいが美味です。
食物繊維のかたまりのようなものなので、おなかのお掃除にもいいようです。
作り方
1. 大根を、10センチくらいの長さにカットする。
2. ツマをつくる下ろし金や包丁などで、5ミリくらいの千切りに切る。
3. 干し網やざるなどに広げて、バリバリになるまで乾燥させる。
ホームセンターや釣具店などで売っている青い干し網があると便利。干物作り、梅干し干し、干しイモ等々、保存食作りに欠かせないアイテムです。
2月 干しワカメ
2月から3月上旬にかけての大潮の干潮を狙って、磯へワカメを取りにでかけます。
生で堪能するのはもちろんですが、ここぞとばかりに1年分をキープして、干して保存しておきます。この時期、浜辺でもロープにつるした洗濯ばさみにぶらさがったワカメを見ることができますが、我が家でももっぱら洗濯物干しで乾燥させています。
ばりばりになるまでよーく乾燥させないと、カビます。ただし干したときに白く粉をふくのはカビではなくうまみのかたまりのようなので、びっくりして払い落とさないように。
干しワカメは、もどして味噌汁に、酢の物に、サラダに、ラーメンの具に。
干したものをそのままミキサーにかけて細かくしたものを、ごまやちりめんじゃこと混ぜてふりかけにしたり、ホットケーキに混ぜて子供のおやつしたり、もなかなかgoodですヨ。
作り方
1. 取ってきたワカメを軽く洗い、砂やゴミ、虫などを取り除く。
2. 洗濯物干しにつるすなどして干す。すのこなどに広げてもよいが、
下にくっつきやすいので注意する。ぬるぬるしていて洗濯ばさみから抜け落ちやすいので、
茎の部分を半分に裂いてからはさむとよい。そうすると、乾燥も早い。
3. 左の写真のように、バリバリになるまでしっかり乾燥させること。
3月 味噌
寒さがゆるんできたら、味噌の仕込みの季節。昔から「手前味噌」なんて言葉があるくらいで、我が家でつくった味噌はおいしいものです。材料は「大豆、塩、麹」のみと、混ざりっけなしのものがつくれるのも魅力ですね。
我が家では、豆4キロ、麹4キロ、塩2キロを使って、1年分を一気に仕込みます(出来上がりが何キロになるのかは、不明)。4人家族とはいえ、朝晩味噌汁を飲んでいると、アッという間に使ってしまいます。
大豆はできれば地元産のものを、と思っているのですが、北海道産と千葉産と年によって違います。千葉産のものは夏の台風の影響で、できが悪くて全然とれない年もあります。塩は、海水からつくった天然塩を、九州の天草でつくっている人から、直接購入しています。麹は、我が家は近くにある麹店から買っています。どこで買えるのかわからないときは、電話帳の「こうじ店」で探したり、中小の味噌蔵で分けてもらったりしてみてください。乾物屋やスーパーなどで、パックに入ったものが売られている場合もあります。
材料以外に必要なのは、たる、ビニール袋、中ブタ、重石、ざる、ボウル(できるだけ大きなもの)、圧力鍋(あれば作業が早い。なければふつうの大鍋)、フードプロセッサーまたはジューサー(これもあれば作業が早い。なければすり鉢とすりこぎ)、といったところでしょうか。
作り方
1. 大豆はさっと洗い、たっぷりの水にひと晩つけておく。
2. 麹はかたまりがないようにばらばらにほぐし、塩と混ぜておく。これを「塩切り麹」という。
3. 大豆を柔らかくなるまでゆでる。めやすは指で簡単につぶせるくらい。圧力鍋なら、シューシューいいはじめてから5~8分もあればゆだる。
4. 塩切り麹と3.の大豆を混ぜ、フードプロセッサーですりつぶす。フードプロセッサーがなければ、すり鉢でするか、厚手のビニール袋のなかに大豆を入れ、上から握ったり押したりする、という方法もある。その場合、麹はつぶせないので味噌の仕上がりがツブツブになる(使うときに「味噌漉し」が必要)。
5. 堅ければ、大豆のゆで汁を足す。野球のボールくらいにまるめたものを、たるにたたきつけるようにして入れていく。たるはあらかじめよく洗い、熱湯をかけたり、焼酎で拭いたりしてきれいにしておく。よけいな雑菌は、カビのもと。
6. 全部をたるに入れたら表面を平らにならし、ぴったりとビニールで覆う。
7. たるの中ブタをして、豆の重量くらいの重し(乾燥大豆で2キロ分だったら2キロ程度の重し)をのせ、ふたをしめる。ホコリが入らないように新聞紙などで覆ってヒモをかけておくとよい。直射日光のあたらない場所で保管する。
8. 夏を越したら「天地返し」をする。たるのなかをよくかきまぜて、上下を入れ替える。下の写真の色ぐらいになっているはず。
9. 天地返しが済めば、基本的に食べられるが、さらに1~2ヶ月おくとなじんでさらにおいしくなる。まる1年くらいたつと下の写真のような色に。こうじ屋さんによれば、ふつうの米みそは、「ふた夏置かないうちに食べた方がおいしい」そうで、天地返しが済んで1年くらいの間に食べたほうがおいしい、とのことです。または、発酵を進ませないために冷蔵してもOK。
3月 フキ味噌&佃煮
春の訪れとともに土のなかから顔を出すフキノトウ。天ぷらやゆでたものを味噌と混ぜるだけでもおいしく食べられますが、フキ味噌や佃煮をつくっておけば、ごはんのおかずや酒の肴に便利です。フキ味噌は、こんにゃくにぬって田楽風に食べたり、ごへい餅にぬって少し焦がして食べても美味です。
作り方
1.フキノトウは、よぶんな額やゴミをとってよく洗い、熱湯で湯がく。
2.水にさらしてアク抜きし(苦みをぬきたい場合は長めにさらす)、水気を絞る。
3.粗く刻む。
4.フキ味噌はフライパンに油を敷き、味噌、みりん(好みで砂糖)、酒、水を入れて煮詰め、そこに3.のフキノトウを入れて3~4分煮て練り上げる。
5.佃煮は、鍋にしょうゆ、酒、みりんを入れて3.のフキノトウを入れて煮詰める。
4月 干物
土地柄、魚がたくさん釣れたり、おすそ分けをいただいたりすることがあります。刺身、煮付け、揚げ物などそ
の魚に応じた料理方法でいただくのは、もちろんですが、ときには干物をつくることもあります。ただし、新鮮な魚で、天気が良いとき作るに限ります。
基本的には海の水くらいの濃さの塩水(実際になめてみるとよい)をつくり、魚を10~30分程度漬け込んだあと、風通しのよいところで干すだけ。切り干し大根のところでも使ったよくある青い「干し網」があると、ハエもたからず。
もっと簡単につくるなら、きれいな海水に漬けたものを干すだけ。釣りをしているときに、その場で開き、その場で漬け、その場で干すのもいいですよ!
小さな魚、開いた魚は漬け時間を短くします。さらに簡単に済ますなら、塩をふるだけでもOKです。
カタクチイワシ(開かず内臓も丸ごと干すいわゆる”丸干し”)、アジ、キンメダイ、ブダイ、タチウオ(ブツ切りにしたもの)、サンマ(これも小さくて細いものは丸干しがおいしい。南房総や伊豆の名物でもあります)、イカなどなど。保存を考えるならしっかり干し、干した風味がほしい程度であれば半日も干せばいいでしょう。
作り方
1. アジの開きの場合、内臓とエラを取り、背骨に沿って開く。丸干しは、ざっと洗うだけ。
その他の魚の場合も、適宜処理する。
2. 塩水をつくり、魚を漬ける。漬かり加減を確認したいときは、目立たないところの身を
少しとり、焼くか電子レンジで火を通し、食べてみるとよい。
3. 水気を切り、干す。丸干しの場合は、竹串などで、エラか目を貫いて吊してもよい。
ハエとネコには注意!
4月 干物その2 みりん干し
塩味の干物に飽きたら、みりん干しはいかが? 基本的な作り方は干物と同じ。漬け汁を塩水ではなく、しょうゆ+みりんにするだけです。
作り方
1. 好みの魚(我が家ではメジナが大量に釣れたときに作りました。左の写真)の内臓とエラを取り、背骨に沿って開く。
頭は落としても良い。さく取りした切り身でも良い。
2. しょうゆとみりんを1:1で混ぜて漬け汁をつくり、魚を漬ける。甘いのが好みの方は、みりんを多めに。
漬かり加減を確認したいときは、塩干しの干物同様、目立たないところの身を少しとり、焼くか電子レンジで火を通し、食べてみるとよい。5、6時間くらい漬けても大丈夫。
3. 汁気を切り、表面にもう一度みりんをサッと塗り、白ごまを散らす。
4. 屋外で半日から1日干す。
4月 魚の粕漬け・味噌漬け
ほかにもあります、魚の保存方法。大型の魚は干物にしにくいので、粕漬けまたは味噌漬けにしておけば、風味も変わるし保存もきくので、お弁当のオカズなどにもぴったりです。粕漬けや味噌漬けにしたものは、粕や味噌をぬぐって焼きます。焦げやすいので、あまり火を強くせず、様子を見ながら焼いたほうがいいようです。写真はイシナギの味噌漬け。五目釣り師が市場で頭だけをもらってきた「アラ」の部分でしたが(そのときのレポートはこちらから)、味は絶品!
作り方
粕漬け
1. 魚の身は、軽く塩をふって30分ほど置く。
2.酒粕はちぎって酒とみりんを少しずつ混ぜながら、ペースト状にする(フードプロセッサーを使うとラクチン)。密封容器に2.の酒粕を広げ、濡らして固く絞ったガーゼを敷いてその上に1.の魚を並べる
3.またガーゼをかぶせてさらに酒粕を乗せる。冷蔵庫に入れ、漬けて3日目くらいが食べごろ。5日くらいはもちます。粕床は3回くらいは使えますが、水っぽくなるので水気を吸い取るか火にかけて練り直します。サケ、サワラ、キンメダイなどがおいしいです。
味噌漬け
1.みそにみりんを混ぜて練り合わせる。味具合はお好みで。
2. 粕漬け同様、魚をガーゼでくるんで味噌床でサンドする。冷蔵庫に入れ、漬けて2日目くらいが食べごろ。あまり置くと味が濃くなるので、漬かったら床から出してラップにくるんで冷蔵しておきます。魚以外に、豚肉、鶏肉にもオススメ。
白みそで作れば、「西京漬け」になります。
4月 タケノコの保存とメンマ
タケノコ堀りに行くと、一度にドッサリタケノコの山! タケノコご飯にタケノコの煮物、タケノコのきんぴら・・・、と思いつくまましばらくは楽しみますが、飽きもするし、また時がたってからも楽しみたいものです。市販のタケノコの水煮はありますが、どうにかして長期保存を・・・というのが、課題でした。
うすく切って冷凍保存したものは、解凍すると繊維ばかりでおいしくない! 単なる塩漬けだと塩抜きしてもなかなか塩気が抜けきらない! で、今年は「塩がゆ漬け」にしてみました。(参考文献:家の光協会刊「手づくり食品大百科」)
ほかにも、水煮を瓶詰めにしたものを強火で蒸して殺菌&脱気する方法や、おからと塩を2:1でまぜたものをまぶして保存する方法などがあるようです。
保存の手順
1. 米1/2カップを研ぎ、水2リットルを足して火にかけ、弱火で煮ておかゆをつくる。
2. 塩500グラムを1に加えて冷ます。
3. ゆでたタケノコを2に入れて冷蔵庫で保存する。はじめのうちはときどき全体を混ぜて塩を溶かす。
4. 使うときは、毎日水を替えながら3日ほど水につけて塩抜きする。
上記のような長期保存ではありませんが、メンマをつくると2週間くらいなら常備菜としてご飯やラーメンのお供に、お酒のツマミに楽しめます。
作り方
1. ゆでたタケノコを長さ5センチくらい、2,3ミリ厚(いわゆるメンマの大きさ)に切る。
2. ざるや干し網などにのせ、1日くらい天日で乾かす。よく干したほうが保存性はいいようですが、いささかひからび気味のメンマになります。
3. フライパンにごま油を敷き、干したタケノコを炒める。さらに酒、湯にといた鶏ガラスープの素、しょうゆ、みりんまたは砂糖少々で味をつけ、汁気がほとんどなくなるまで15分ほど炒め煮する。
4. 辛めの味付けがいいときは、一味唐辛子または豆板醤を好みの量入れる。作りたてより2,3日おいたほうが、味がなじんでおいしくなります。
5月 テングサと寒天
春は干満の差が激しく、大潮の干潮となると、ふだんは海水に隠れていた磯が姿を現します。また、水も温んでくるので、足を濡らして海に入ることもかえって楽しいものです。
比較的磯の浅いところに生えている赤紫色のふさふさした海藻が、テングサ。寒天といえば、粉末か棒状になったもの、というイメージがあるかもしれませんが、そもそもそれらの原料もテングサです。テングサを直接煮て煮汁を固めたものも寒天になります。ただし、海でとってきたテングサをそのまま・・・というわけではないのです(もしかしたら、直接でもできるかもしれませんが)。乾燥して自然に白くなったものを使います。
その白くなったものを鍋でぐつぐつと煮とかした、煮汁を固めたものが、寒天。酢醤油+からし、黒蜜、蜂蜜などをかけていただきます。もちろん、フルーツやあんこを入れてあんみつにするのもいいでしょう。
テングサからつくった寒天は、とっても「濃い」味がします。
作り方
1. 取ってきたテングサを洗って、ゴミや虫、貝などを取り除く。
んだんテングサの紫色が抜けてきて白っぽくなってくる。
3. 色がぬけてきたら完全に乾かしてそのまま保存。
4. 食べるときは、なべに水と乾燥したテングサを入れ、弱火で煮る。
5. このとき酢かミカンの皮を入れる。テングサがクタクタになり、
煮汁がトロッとしたかんじになってきたら、型に入れて固める(室温でも大丈夫)。
6. 固まったら、トコロテンの型で突くなり、さいの目に切るなりしていただく。
5月 きゃらぶき
春の訪れとともにフキノトウが芽を出し、それが終わるとふきの葉がぐんぐんと伸びてきます。出たばかりの軟らかい茎をうす味で煮たものも春らしくて好きですが、5月に入ってしっかりと太くなってきたふきを煮しめたきゃらぶきもおいしいものです。保存がきくので、常備菜としても重宝します。
近所にきゃらぶき作りの名人のおばさんがいます。ふきの時期になると大鍋でいっぱい煮るそうですが、いろいろな人にあげてしまうので、いつも自分の口に入るのは、少しになってしまうとか。このおばさんの作ったきゃらぶきはほんとうにおいしくて、我が家でも大人気なので、おばさんに作り方のこつを教わってからは、自分で煮ることにしました。
おばさん秘伝の最大のこつは、ふきは皮をむかずに使うこと(よ~く煮るので、皮が口の中ですじすじすることもなく、煮くずれもしません)とトロ火をキープして長い時間かけて煮ること(火を強くして煮ると、しまりすぎて堅い仕上がりになってしまいます)とのこと。ふきは皮をむく下ごしらえがめんどうなものですが、この方法はその手間がなし! 時間さえかければ意外と簡単に我が家の味のきゃらぶきができますよ!
作り方
1. ふきは葉を落として、たわしなどでゴシゴシよく洗う。
2.鍋に水を沸騰させてゆでる。余熱でさらに火を通して水を切る。皮はむかなくてOK!
3. 切り口の汚いものや汚れの多いものを取り除いて5センチくらいの長さに切って鍋に入れる。だしの素、みりん、しょうゆ、好みで砂糖、唐辛子を入れ、弱火にかける(絶対に強火にしない!)。
4. だんだんふきから水分が出てきて、色が黒くなってくる。
5. トロ火をキープで煮続ける。煮汁がなくなったらしょうゆとみりんを足して、またトロ火で煮る。
6. 保存を重視する場合は、2、3日かけて5.の手順を繰り返して、ふきが黒くしまってつやが出るまで続ける。
6月 果実のシロップ
下の梅のところでも紹介していますが、毎年梅の時期になると、梅と砂糖またはハチミツを瓶に入れてエキスを抽出させた梅ジュース(シロップ)を作ります。ふと梅以外の果物でもシロップができるのではないか、といろいろな果物や野山の果実などで試してみました。意外とどんなものでもできるものです。ただし、ものによっては発酵しやすいものがあるので、瓶のフタを固くしめないようにしましょう。また、シロップができて漉したあと、火を通すと発酵しなくなります。
作り方
1. 果物や果実はよく水洗いして、水気をきっておく。大きなものは切っておく
2.清潔な瓶に入れ、ハチミツだったら浸かるくらいまで、砂糖だったら果実と同じ重量くらいをまぶすように入れる。
4. たまに瓶をふってまんべんなく混ざるようにする
5. 実の種類にもよるが、1週間ほどでエキスが出る。漉してシロップだけ瓶に保存する。実によっては、エキスの出がらしといえどもジャムに再利用できるものもあります。
★梅、ざくろ、ブルーベリー、ぶどう類、かりん、かんきつ類などが良いようです。下の写真は、左から桑の実シロップ、やまももシロップ、キイチゴシロップ(実は、どれも家の近くで穫ったものです)
炭酸水で割ると爽やかでおいしい初夏の飲み物……
6月 梅酒と梅干し
6月に入ると、八百屋の店先には青梅が並ぶようになります。6月も後半になると、黄色い梅と赤い紫蘇も出回ってきます。金物屋にも、梅酒用のビンや梅干し用のカメやざるが並びます。
我が家では、梅は群馬県の榛名町産のものを送っていただいています。大きくて見事な「白加賀」の梅です。果実酒は、氷砂糖なりグラニュー糖なりを入れてつくるのがふつうですが、入れないでつくっています。糖分を入れた場合よりもエキスの出が遅いようですが、時間がたてば十分に出てきます。甘くない分、梅の持ち味が生か色されます。
子供向けには、梅と蜂蜜や砂糖をまぜてエキスを出した「梅ジュース」、梅と酢、砂糖を混ぜてエキスを出した「梅サワー」がよいでしょう。両方とも水や炭酸で割って飲みます。サワーのほうは牛乳で割るとドリンクヨーグルト風で、子供は、これが一番好きみたい。サワーは、キウイ、パイナップル、いちごなどでもおいしいです。
梅干しづくりは、味噌と同様、味の決めてとなる塩にこだわりたいものです。これまた天然塩を使うと、酸っぱさがキツくない味に仕上がります。
作り方
梅酒
1. 梅は洗って、軸を竹串などで取り除く。
いくつか穴を開けておくとエキスの出がよい
2. 清潔な容器に水気をしっかりとふき取った梅を入れ、ホワイトリカーを注ぐ。
3. しっかりとフタをして、冷暗所で保存。半年もすれば琥珀色に。
梅の実は、取り出してジャムにしたり、イワシを煮るときの臭み取りなどに使ったりできる。糖分を入れなくても、写真のような琥珀色になる。
梅干し
1. 梅は洗って、軸を取り除く。さらに一晩水につけておくと、中の虫などが出てきてよい。
2. 梅の重さの20%程度(15~25%くらいの間で好みで。)の塩を用意して、
その塩を梅にまぶす。
3. 消毒して焼酎で拭いたかめに残りの塩を振り、2.の梅を入れる。
4. 上からまた残りの塩を振り、中ブタをして重石(梅の重さと同じ~2倍くらい)をのせる。
5. 1週間くらいおくと、梅から水分が出てくる(これが「白梅酢」)。漉して白梅酢と梅を別にしておく。
赤ジソ(「ちりめんじそ」がよい)を用意して、よく洗い、葉の部分だけむしって水気をきっておく。
6. 紫蘇に塩をかけ、よくもむと、赤黒い色の汁と泡が出てくる。
これは、アクなので、ぎゅっとしぼって捨て、もう一度塩をふってよくもむ。
7. 6.に白梅酢を注ぎ、赤い色が付いたらしその葉を絞って出す(これが赤梅酢)。
8. 梅をかめに戻し、上からしそを広げてのせて、ひたひたになるまで、赤梅酢を注ぐ。
9. 再び重石をして(一度目より軽くてよい)、土用を待つ。
10. 土用でなくても、その前後で晴天が3日くらい続く日があったら、土用干しをする。
11. 梅酢(今度の赤くなったものは「赤梅酢」)を別にして、梅と紫蘇を、写真のように、ざるなどに広げて日なたに干す。乾いたら裏返す。夜も干し、翌日もう一度赤梅酢にくぐらせ、また干す。
12. 3日目は日中に取り込む。かめに入れてしそをのせて保存する。
13. すぐにでも食べられるが、しばらくおいたほうが、酸っぱさがまろやかになり、おいしくなる。
6月 梅ジャム
黄色く完熟した梅は、とても甘い香り。あんずのようにそのまま煮てジャムにできます。梅酒を漬けたあとの梅を使えますが、その場合は、水に1晩くらいつけて少しアルコール分をぬいてから作ったほうがいいようです。
作り方
1. 梅は水洗いして水気をよくふき、へたをとりのぞく。梅酒の梅を使う場合は、水に漬けてアルコール分を抜いたあと、一度水気をきる。
2.鍋にひたひたになるくらいの水を入れ、弱火でアクをとりながら20~30分くらい煮る。
3.こし器でつぶして種をとりのぞく。果肉を鍋にもどし、元の梅の重さの4~5割くらいの砂糖(好みで加減)を加え、ゆで汁を少し加えてさらに15分くらい煮る。
梅酒など堅い梅を使う場合は、あらかじめナイフなどで果肉の部分だけをとってから煮て、堅くて裏ごしできない場合は、フードプロセッサーにかければよい。
パンにはもちろん、ヨーグルトにかけたり、ホットケーキに塗ったりしても美味です。
7月 健康茶と果実酒
我が家で日常的に、麦茶や緑茶のかわりに飲んでいるのは、どくだみのお茶です。あのすごい匂いはお茶にするとまったく気になりません。
なんでも、ドクダミには、利尿、抗菌、解毒などさまざまな効果があり、皮膚のトラブル、整腸、高血圧、肝臓障害、冷え性といった症状に効くそうです。我が家でも日常的に飲んでいるせいか、誰も便秘しないし、病気もろくにしないし、元気です。
ほかにも、身近にできる健康茶として、クコ(疲労回復、血栓の予防、胃腸の強化など)、桑の葉(利尿、血圧やコレステロールを下げる、など)、スギナ(血糖値を下げる、利尿、解熱など)、ビワの葉(疲労回復、咳止め)、ヨモギ(老化予防、脂肪分解)などもあります。
庭で育てている、レモングラス、ペパーミント、ローズマリーなどのお茶もとてもおいしいです。保存を目的としなければ、生の葉を煎じたものも、もちろん効果はあるそうです。
お茶とならんで、簡単にできるのが、果実酒。基本的には材料をホワイトリカーに漬け込むだけ。梅酒の項でも書いたとおり、糖分は入れずに作ります。グミ、クコ、桑の実、ヤマモモ、ニンニク、青ジソ、コリアンダー、ドクダミなどなど。クコは、日当たりのよい草地、房総半島では、海の近くの草っぱらや斜面などに生えています。秋に赤くて細長い実がなるので、それを生で使います。ドライフルーツなどと一緒に売られている干した実でもできるようです。参考文献:「薬草茶・健康茶カラー百科」(マキノ出版)
作り方
1. ドクダミは、花の咲く6~7月に取る。ドクダミは花、葉、茎、根すべて使える。
ほかの種類のお茶をつくる場合、その植物が一番勢いのよいとき(開花時、成長時)に採取するとよい。
2. よく洗って、ゴミ、虫、土などを落とす。
3. ヒモで縛ったり、ござなどに並べたりして、風通しのよいところで、陰干しする。
天日で直接干すと、茶色く変色しやすい。シャリシャリになるまで乾燥させる。
4. 乾燥剤を入れて保存すると、しけたりかびたりしにくい。
5. 飲むときは、ハサミで小さく切ったものをやかんに入れ、水から火にかけます。
ただし、鉄のやかんはタンニンが溶けだして、成分が変わってしまうので、
ガラスのポットやホーローのやかんがよい。
沸騰したら弱火にして、5分間くらい煎じてから、熱いうちに飲むのが基本。
7月 シソジュース
梅干しを漬ける時期になると、店頭に赤ジソが並びます。また、家庭菜園や庭の片隅には、赤ジソ青ジソ初夏の陽気にぐんぐんと成長してきます。シソは、昔から抗菌・殺菌作用があることは定評済みですし、最近では、花粉症の予防や症状の緩和に効果があるとかで、注目されているようですね。
夏暑くなってくると、さっぱりとした飲み物がおいしくなってきます。庭にシソが生えすぎて使い切れない!という方にもオススメのレシピです。
作り方
1. シソは洗って葉を摘み取る。赤ジソが大量にないときは、赤ジソ:青ジソ=1:3くらいで大丈夫。全部で200グラムくらい用意。
2.鍋に水カップ6(目安)をわかして葉を入れて20分くらい似る。赤ジソはだんだん色がぬけて緑色っぽくなってくる。
3.この時点では、どす黒い煮汁の色。クタクタになった葉を取り除き、砂糖約500グラムを煮とかす。酢カップ1を入れると、アラ不思議! 美しい赤紫色にパーッと変化します。
さめてから漉して保存ビンに入れて保存します。発酵することもあるので、冷蔵庫に入れておくのが無難。
飲むときは好みの濃さに、水や炭酸水などで割ってどうぞ。
7月 きゅうりのピクルス
夏の菜園では、きゅうりが豊作! 冷凍して保存できる野菜ではないので、とれすぎてしまうと、少々困ってしまうことも・・・。そんなときはピクルスにして保存! ハンバーガーやサンドイッチ、カレーなどのお供に、タルタルソースやドレッシングに刻んで入れるなど、いろいろ使えますよ。
酸っぱさやスパイスも自分で加減できるので、自分の味をつくってみてください。
作り方
1. きゅうりは、洗って塩をふって軽く板ずりする。
2.軽く重しをして1晩おく。
3.ピクルス液をつくる。水1/2カップ、酢21/2カップ、粒こしょう5粒くらい、ローリエ2~3枚、種をとったとうがらし1~2本、にんにく1かけ(スパイシーなのが好きな場合は、シナモン、クローブなどのホールタイプをさらに加える)を火にかけて沸騰させ、冷ましておく。
4.塩をしたきゅうりはさっと熱湯でゆがいて、水気を切っておく
5.消毒したビンにきゅうりを立てて並べ、を入れ、さらにピクルス液を注ぐ。きゅうりが全部液に漬かっているまで入れること!ローリエ、トウガラシ、粒こしょうなどもそのままつけ込みます。好みでフェンネル、ローズマリーなどのハーブを加えても。
2日後くらいから食べられます。
8月 小ハゼの佃煮
潮が引いた膝丈ほどのタイドプールには、小魚や小さなエビなどがいっぱいいます。子供は網を片手に夢中になって獲物をすくいます。バケツの中はたちまち獲物でいっぱい……。どれも5センチにも満たないような小さな生き物たちですが、だからこそ丸ごと食べるには最適! そのまま佃煮にしてしまいます。
作り方
1. 磯でとれた小さなハゼ類、エビなど。死んでしまうと急に鮮度が落ちてしまうので、できれば海水に入れたまま生かして持ち帰る。
2.軽く水洗いして、砂やごみなどを取り除き、ざるにあげる。
3.なべにしょうゆ、みりん、酒を煮立て、まだ生きているハゼたちを一気に投入!
4.煮汁が煮詰まって、魚にからむようになったらできあがり
佃煮といっても保存を目的にしてしっかりと煮しめたものではないので、なるべく早く食べてください。もちろん頭も骨もそのまますべて食べられます。
8月 シメサバとなまりぶし
夏になると、サバ、ソウダガツオが釣れてきます。両方ともイナダやワカシ(ブリの幼魚)、カツオなどを釣るときの外道扱いされやすい魚ですが、とてもおいしく、そんな扱いをしてはバチが当たるというものです。
サバは、みそ煮、竜田揚げなどでおいしくいただけますが、新鮮なサバが手に入ったら、ぜひ、シメサバを作ってみてください。市販のシメサバはある程度保存を目的にしているので、かなりきつく酢でしめてあって身が真っ白になっていたりしますが、手製のシメサバは、作ってすぐ食べられるのでそれほどきつくしめる必要もなく、サバのおいしさも十分に味わえるのが、うれしいところです。
なまりぶしは、傷みやすい青魚を多少はもたすための加工方法です。それをそのまま食べるというより、ほぐしたものをしょうゆ、みりん、酒をふって煎りつけてそぼろにしたり、そのままタケノコと煮たり、キュウリやワカメなどと酢の物にしたりするのが一般的です。
オイルっ気のないツナ缶のようなものなので、ほぐしてサラダにのせてマヨネーズで食べるのもおいしいです。
作り方
シメサバ
1. サバは、ウロコ、内臓、エラをとって3枚におろし、腹骨をすき取る。
2. たっぷりと塩をふって、冷蔵庫で1~2時間ねかせる。
3. 酢を水で薄め、2.のサバを洗って塩を落とす。コンブを敷いたところにサバを置き、
酢を注ぐ。30分くらい漬ければ食べられるが、3日くらい保存したければ、半日くらい
漬けたほうがよい。
4. 漬かったら酢から取り出して汁気をふき取って冷蔵庫に入れておく。
5. 食べるときは、血合いの小骨と薄皮を取り除いてから、好みの大きさに切る。
なまりぶし
1. ソウダガツオは3枚に下ろしたものを、さらに背側と腹側に切り分け、その間の血合いの骨は、
取り除く。軽く塩をふってもよい。
2. 巻きすやざるの上に並べて、湯気のあがった蒸し器で、15分くらい蒸す
9月 夏みかんピール、ママレード
南房総では、多くの家の庭に夏みかんの木があります。我が家もご多分にもれず、敷地内に数本の夏みかんの木があり、毎年鈴なり。ちょっと酸っぱいけどそのまま食べてもおいしいし、レモン絞りで果汁をギューギュー絞り、炭酸で割って飲むと、乾いた喉にしみる!!
食べた後の皮も、そのまま捨ててしまうのは、なんとなくもったいないところ。ワックスや農薬がかかっていない自然のままですから、これも再利用します。砂糖の量も自分で調節できるので、ほろ苦さを残したい人は、砂糖の量を控えめに。
ママレードはパンに塗って朝食にどうぞ。ピールのほうは、細く切ってお茶請けにしたり、細かく刻んでパウンドケーキやホットケーキに混ぜて焼いたりすると、ほろ苦い夏みかんの風味が口のなかに広がります。
作り方
夏みかんピール
1. 皮は厚い場合は内側の白い部分を取り除き、水に入れて火にかける。
2. 何回かゆでこぼしてやわらかくなるまでゆでたら、皮の重量の半分の砂糖と
ひたひたになるくらいの水を加えて30分くらい煮る。
3. しばらくそのまま置き、残りの砂糖を入れてまた煮て、また置く。
4. もう一度火にかけ徐々に煮詰めて水分を飛ばす。
5. さめたらグラニュー糖をまぶしてざるの上などで乾燥させる。甘くないほうが良い場合は、
この手順はカットしてもよい。
夏みかんママレード
1. 皮はゆでこぼしてやわらかくして、千切りにする。果肉は袋から取り出し、ほぐしておく。
2. 元の実の2/3くらいの重量の砂糖と果肉を火にかけ、とろりとするまで煮詰める。
3. 1.の皮を入れてさらに煮詰める。鍋はホーロー製を使ったほうが、金くさくならない。
9月 シソの実の塩漬け
家庭菜園をする方なら、経験があると思いますが、シソの生命力の強さは大したもの。一度植えれば、翌年からはこぼれ種で芽を出し、夏の暑さにも負けずに大きく育ちます。そして、8月の終わりから9月にかけて白い花の付いた穂が出ます。若い花付きの穂は、刺身のツマなどに使いますが、花が終わって種になってしまう前の青い実も使いましょう!
甘味屋などでおしるこを食べると、ちょこっと添えられてくるシソの実の塩漬け。アレを作りましょう。おしるこのお供にはもちろん、即席漬けやドレッシングに混ぜたり、ご飯にまぜておにぎりにしたり、いろいろ使えます。
作り方
1. シソの穂をつみ取り、水洗いしてから指でしごいて実をはずす。
2. 塩水にシソの実を入れ、落としぶたをする。1~2時間置いて、アクを出す。
3. いったんざるにあげてから再び塩をまぶし、落としぶたをする。さらに重石(軽くてよい)をして、1ヶ月くらい漬ける
4.使うときには、水につけて塩抜きをして、水気をふきとってから使う
9月 栗の渋皮煮
もっとも秋らしいものひとつである栗。我が家の周辺にも栗の木の生えているところが数カ所あり、9月に入ると、子供たちと「秘密の場所」へ採りにでかけます。くりごはん、ゆでぐり、ちょっと凝ったところで栗ケーキあたりが定番ですが、渋皮煮もおいしいものです。ちょっと手間がかかりますが、作ってみませんか?
作り方
1. 栗(大きめのもの20個くらい)は数時間ぬるま湯につけ、鬼皮をふやかす。
2. 渋皮を傷つけないように鬼皮をむく。
3. 重曹大さじ1ぱいを入れた湯に沸騰してから入れ、中火で5分くらいゆでる。
4.ゆで汁をすてて流水で渋皮についた黒いスジをとる。(スジがとれにくければ、3と4をもう1回繰り返す。
5. もう一回沸騰した湯のなかで10分くらいゆでて湯は捨てる。
6.栗に水をひたひたに入れ、落としぶたをして30分弱火で煮る。その間に砂糖300グラム(好みで加減)を2.3回に分けて入れる。
7. 一晩そのままなじませる。保存は汁に漬けたまま冷蔵庫で。
9月 イナゴの佃煮
「東京湾の食卓」のページでも紹介していますが、イナゴは意外とおいしいのです。見た目は「虫~!」というかんじですが、意外と香ばしくてパリパリとしていて……。たんぱく質や鉄分も豊富だというから子供のおやつとか女性の栄養補給にもいいかも?
作り方
1. イナゴは採ってからしばらく置き、体内のフンを出させる
2. 熱湯に投入してさっとゆで引き上げる
3. 後ろ足の先と羽をとる(口当たりが悪いため)
4.保存を重視する場合は、半日ほど干す。鍋に入れ、みりん、醤油、酒で煮る
5. 煮汁が煮詰まったら完成
10月 アンチョビとオイルサーディン
イタリア料理でよく使われる「アンチョビ」。ピザやスパゲティに入っている、ちょっと塩辛い魚のオイル漬けです。缶詰でおなじみの「オイルサーディン」。これらも自分で簡単に作れます。
材料にするのは、地元では「へしこ」「しこいわし」「ひしこいわし」と呼ばれるイワシの一種。正式には、カタクチイワシという種類で、煮干しにもこのカタクチイワシが使われていることが多いようです。または写真のウルメイワシ。これも小型のものならごく安く手に入りますし、防波堤などで釣ることもできます。
いずれも当地では、ごく庶民的な魚で、ふつうは、手開きで刺身にしたり、ミンチをつみれ汁、焼きさんが(魚のハンバーグのようなもの)にしたり、干して目刺しにしていただきます。
小さくて鮮度の落ちやすい魚なので、なかなか産地に近いところでないと、売っていないかもしれませんが、鮮度のよいものが手に入ったらぜひ作ってみてください。釣りをする方は、イワシ爆釣!というときにはぜひどうぞ。
魚をさばくのが少々面倒なくらいです。両方ともそれほど簡単につくれて、常備しておくといろいろな料理に使えてとっても便利です。
作り方
アンチョビ
1. イワシは手開き(もちろん包丁でも可)で3枚におろし、頭と中骨、内臓を取り除く。
2. 表面がまっしろになるくらい塩をふり、ビンなどにいれて密封し、冷蔵庫で1ヶ月くらいおく
(発酵させたいので、冷えすぎない場所のほうがよい)。
3. 1ヶ月後、水洗いして皮や小骨、尾が気になるようだったら取り除く。
4. 再びビンに入れ、ひたひたになるまでオリーブオイルを注ぐ。
1週間くらいから食べられる。
オイルサーディン
1.イワシは手開きか包丁で頭と内臓を取り除く
2.塩をふり、しばらく置いてから、表面の水分をふき取る。
3.フライパンまたは浅い鍋にイワシを並べ、にんにく2、3かけ、赤唐辛子1、2本、ローズマリー、タイム、セージなどのハーブ3枝ほどを散らし、オリーブオイルをひたひたになるまで注ぐ。
4.弱火で揚げ煮するようなかんじで10分ほど火を通す。冷めてから密封容器にオイルごと移して保管。小骨、背骨すべて食べられます。
11月 紅しょうが
焼きそばやたこ焼きに、目立たないけど欠かせない脇役、紅しょうが。これも手作り・・・というにはおこがましいほど簡単につくれます。梅干しを自分で漬けていて「赤梅酢」があることが前提になってしまいますが、自分でやっていなくても人から分けていただくとか、買うという手もあります。
市販の紅しょうがの赤い色を見ると、何で着色しているのかしら、と心配になりますが、赤梅酢は、赤ジソから出た自然の色だけなので、安心。市販のもののような「赤」というよりも、赤紫、あるいはピンク色の仕上がりになります。
また、細切りではなくごく薄切りにしてつくると、「ガリ」になります。こちらはお寿司などに添えてどうぞ。
作り方
1. しょうがの皮をむき、薄切りにしたあと、細く切る。さっと湯がく。
2. ビンに入れ、赤梅酢をひたひたまで注ぐ。
3. しょうがが赤く染まったらできあがり。それだけ!
11月 干しイモ
秋になるとお店にならぶ干しイモ。見てくれは悪いけど、噛めば噛むほど甘い、あの味・・・・。密かな隠れファンが多いのでは??
作り方はとっても簡単。オヤツにふかしたサツマイモが残ったときにでも、試しにつくってみては!?
作り方
1. サツマイモをやわらかく蒸かす。
2. 皮をむき、繊維にそって5ミリくらいの厚さに切る。
3. 広げて、乾燥させる。柔らかめのがいい場合は干し時間は短めに(半日から1日くらい)して、冷蔵庫で保存。保存を重視するなら2,3日は干したほうがいい。
12月 かまぼこ&さつまあげ
かまぼこの原料といえば、スケソウダラあたりが連想されるところですが、白身の魚なら、何でもつくれるようです。ぜいたくなところでは、タイでも・・・。 我が家の周辺の海では、写真のように、イシモチが大漁に釣れることがあります。刺身、唐揚げ、塩焼きなどで食べますが、これがカマボコの材料としても一級品です。
身を取るときは、3枚に下ろしたあと、スプーンで骨についた分までこそげとると無駄がなく、大量に身がとれます。ミンチにする前に水にしっかりさらすと白いかまぼこになるようですが、かわりに脂もうまみも逃げてしまう気がするので、ほどほどのところでやめましょう。塩加減も大切。入れすぎてはだいなしなので、少しずつ入れて、なめながら確認しましょう。
こうした本格的?なかまぼこのほかに、イワシのすり身をゆでた「つみれ」、すり身にみそやしょうがで味付けして、刻んだ野菜(ごぼう、にんじん、いんげんなど)を混ぜて揚げた「さつまあげ」も手作りの定番です。
作り方
かまぼこ
1. イシモチを3枚におろし、小骨、皮を取り除く。
2. 1.を水にさらし、ふきんに包んでしっかりと絞る。
3. 2.と塩、卵白をフードプロセッサーに入れ、ノリ状になってくるまで混ぜる。
フードプロセッサーがなければすり鉢でする。
4. ノリ状でプルンとなったものを板にカマボコ型になすりつけて、蒸し器で蒸す。
さつまあげ
1.かまぼこと同様魚(アジなどがおいしい)の身だけ取り出す。
2.フードプロセッサーにすりおろしたしょうが、みそ、かたくりこ、卵
(好みで水切りした豆腐、すりおろし山芋なども)と魚の身、刻んだ野菜を入れ、混ぜる。
3.鍋に油を熱し、手やスプーンなどで形作ったものを揚げる。熱々をそのままで、つくったものを軽く煮ても美味です。
12月 こんにゃく
こんにゃくは「コンニャクイモ」というサトイモ科のイモからできています。コンニャクイモが、こんにゃくにするのに適した大きさになるには、3年かかるそうです。春に植えたイモを秋、地上部が枯れたら堀り上げ、また次の春埋めて・・・というのを3年繰り返してできるのです。ふだん何気なく食べてますが、けっこう時間のかかる食べ物だったんですね! 生のイモからつくったコンニャクは、コンニャクなのに味があります! ぜひ手作りしてみてください。材料はいたってシンプルです。
作り方
コンニャクイモ 皮をむいて1キロ分
炭酸ソーダ 40グラム 薬局で買えます。コンニャクを作るので、と言えば、適したものを売ってくれます。我が家で買ったのは、200グラム入りで200円程度でした。
1. 皮をむいたコンニャクイモをすりおろす。手とおろし金でやるのは骨が折れるし、手がかゆくなるので、フードプロセッサーやミキサーでやるといい。水を加えながら、全体で3リットル程度の水を混ぜるとよい。
2. 鍋に移し、火にかけながら木べらなどでかき混ぜる。白っぽいのがだんだん透明感が出て、プリンッとしたかんじになる。
3.少し冷ましてから、400ccの水で溶いた炭酸ソーダを注ぎ、かき混ぜる。
4.最初はバラバラしているが、すぐに粘りが出てくるので、全体が混ざるようにする。
5.水で濡らした型に入れ(なければ鍋でそのまま)、冷えるまでそのままにしておく。
6.固まったら適当な大きさに切り、熱湯で30分~1時間くらいゆでて、アクを抜く。
*市販のコンニャクより、アクが強いので、調理する際はもう一度湯がくか、炒めて使う場合は、よく炒めてください。
*好みで、青のり、ごまなどを入れてもおいしいです。
*昔の人は、炭酸ソーダなどではなく、灰汁(木やワラを燃やした灰と水を煮出して、こしたもの)を使ったそうです。
*コンニャクイモ1キロ分で、ふつうサイズの板コンニャクが15枚以上はできます。「そんな大量にいっぺんに食べられない!」という方は、分量を減らしてつくってください。
*市販のコンニャクは2ヶ月くらい日持ちするようですが、手作りはそんなにもちません。冷蔵庫に入れて、早めに食べましょう。
*ゆでたコンニャクイモを粉砕するやり方もあるそうです。
12月 わさび漬け2種
わさびは、わき水やきれいな川の水が豊富にあるところで、つくられているので、残念ながら房総ではわさびを作っている、という話は聞いたことがありません。安曇野に住むB氏宅訪問の際、周辺のわさび農場でわさびを根・茎・葉ごといただいてきたので、わさび漬け(いわゆる粕漬け)と醤油漬けに挑戦してみました。両方ともアツアツごはんのお供にGood!
作り方
わさび漬け 酒粕、わさび(根、茎、葉)
ほかに味付けに砂糖、塩、醤油
1.フードプロセッサーなどで酒粕、砂糖、塩、醤油を混ぜてクリーム状にしておく。味付けは、酒粕200グラムに対して、塩小さじ1、醤油小さじ1、砂糖大さじ2程度です。
2.根の部分は汚れや細かい根を取り、みじん切り(これもフードプロセッサーでやると楽)にする。
3.茎と葉は、サッと湯がいたあと、塩をふってもみ、みじん切り。よく水気を絞っておく。
4.材料をすべて混ぜる 。辛いのが好きな人は、根の部分を多めにすると良いです。
5.全部混ざったらできあがり! すぐにでも食べられますが、ひと晩くらい置いたほうがなじむようです。
1週間から10日くらいで食べるようにしましょう。
わさびの醤油漬け
わさびの茎と葉 醤油(またはめんつゆ)
1.茎と葉をサッと湯がく。
2.食べやすい大きさに切って、しょうゆに漬ける。マイルドな味がお好みの方は、めんつゆに漬けるとよい。
*葉や茎は、湯がき具合によって辛みの出方が違うようです。湯がきが足りないと苦みが出て、湯がきすぎても辛み香りが飛んでしまうそうです。