柱を立てる作業まで完了したら、次は桁を乗せていきます。
ホゾ作りなど、一見面倒で難しそうな作業に見えますが、落ち着いて順序だてて作業すれば、大丈夫ですよ!
①桁の材料について
レベルを出して柱を正しい長さにカットし、再びすべて立て終えたら、その頭同士をつなぐように桁(けた)を乗せていきます。
桁は屋根を支える垂木を受けるので、ある程度丈夫な材料にしたいところ。今回は、柱に使ったものと同じ90ミリ角の杉材を利用しました。間口側の柱の間隔は2間(約3.6m)飛んでますが、強度的には問題ありません。この時点では柱がグラグラしているので、2×4材を仮の筋交い(すじかい=斜め材のことですね)としてビス留めしておきました。
②一番簡単な柱と桁のジョイント方法
柱と桁をジョイントする方法もいろいろですが、一番簡単なのがそれぞれの材料を相欠きにしてコーチボルトでガッチリ緊結する方法でしょう。桁同士のジョイントも相欠きでOKです。
イラストのように、さらに両側から細長くカットした構造用合板を添えて多めのビスで固定すれば完璧です!
③柱と桁をホゾで収めてみよう
もう少しスマートに桁を収めたい場合は、「ホゾの加工」にチャレンジしてみましょう。実際にやってみれば、それほど難しくありませんよ(^^ )。
くわしくは、『小屋大全』を参考にしてみてくださいね。
↑拙著「小屋大全」。ホゾだけではなく、小屋のセルフビルドのハウツーが満載です(^^ )
④「平ホゾ」の構造
柱と桁の連結は普通の「平ホゾ」にします。
柱のほうはオスの平ホゾを加工。ホゾのサイズは29×81ミリ、長さは90ミリにしました。
⑤ホゾ組みの裏技
加工後は、ホゾのカドをハンマーで軽く叩いて潰しておくと(「木殺し」といいます)、ホゾが組み込みやすくなります。
⑥桁側のホゾ穴を加工する
桁側にはメスの平ホゾを掘ります。ここはドリルとノミを併用すると作業が早いです。こちらのサイズは30×80ミリ。オスのホゾとサイズを変えている理由は、ホゾを組み込みやすく、かつ強固にするためです。
⑦柱と桁を組む
柱と桁のホゾを組み込んだら、カケヤを使ってしっかり叩き込みます!
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⑧桁同士の継ぎを加工する
桁同士の連結は、「腰掛け鎌継ぎ」にしました。一見すると難しそうですが、ほとんど丸ノコで加工できるので意外と簡単です。『小屋大全』でも詳しく解説しています!
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⑨ひとりで桁を乗せる方法
ひとりで作業するときは、脚立を2台使い、桁を片側ずつ柱に乗せていきます。ケガしないように注意しましょう。
⑩垂直を確認する
すべての柱と桁を収めたら、この時点で柱の垂直を水平器で確かめます。
通常は、多少なりとも柱が傾いているので、荷締機(荷締めベルトともいう)などを利用して、柱を少しずつ垂直に調整します。
⑪荷締機は便利!
荷締機はミリ単位の微調整ができるので、こうした作業ではとても重宝します。ホームセンターで2,000円ほどで入手しました。
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⑫仮筋交いを留め直す
柱を垂直に調整したら、あらためて仮筋交いを留め直します。
⑬ホゾの補強
ホゾの部分にビスを打って、すっぽ抜けを防止します。
⑭方杖を設置する
柱と桁を斜め45度で繋ぐように、長さ1.2mほどの補強材(柱の残材を流用)を入れてビス留め。この材料は「方杖(ほうづえ)」と呼ばれ、軸組構造の筋交いなどと同様に建物の強度を高める役割を果たします。
⑮方杖を固定する
さらに、コーチボルトで方杖をしっかりと固定します。
⑯構造体の完成
これで、ガレージの構造体の完成です! 作業的には、ここまで3日間でできました。
建物の形が見えてきました!
次は屋根をかけます。